蜜月なカノジョ(番外編追加)


「こんにちは」

「あ…ナオさん。ご無沙汰してます」
「今日もカプチーノ?」
「あ、はい。たまには別のも飲んでみたいなって思うんですけど…へへ、どうしてもこれを頼んでしまうんですよね」
「ふふっ、お気に入りの一品ができるって店側としてはすっごく有難いことなのよ? ここ座らせてもらっても大丈夫かな?」
「あ、はい! 今は休憩ですか?」
「んー、っていうか元々今日はこっちに来なくてもよかったのよね。でも来れば杏ちゃんに会えるかな~と思って」
「えっ?!」

驚く彼女の向かいに腰を下ろすと、まるで異性に告白された後のようにカーッと赤くなった。「ナオ」が相手だと彼女はこんなにも自然体でいられる。
葵の話なんてまるで嘘のように。

「杏ちゃんっていつも一人で来てるけど…彼氏とかいないの?」
「えっ?」

不自然にならないようにサラッと聞くと、反対に彼女は明らかに動揺してガシャンとカップが滑り落ちた。

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