蜜月なカノジョ(番外編追加)

「はぁ~…。なんていうか、あんたほど極端な人間もいないわよね。モテ男が突然女よけのために女装を始めたかと思えば、今度は好きな子のために女のままでいることを選ぶとか…なんていうかもう、両極端過ぎて…もっと器用に生きられないの?」
「しょうがないだろ、これが俺なんだから…」

はぁ~~っとこれ見よがしな溜め息がもう一つ。

「まぁあんたの気持ちもわかるけどさ。でも一緒にいる限りいつかはばれるわよ? 私は不意打ちでばれるくらいならあんたの口からちゃんと話してあげる方が絶対いいと思うけど」
「……」

「何の根拠もないけどさ、杏ちゃんはナオだろうと直斗だろうとあんたを受け入れてくれると思うのよね」
「…え?」
「女の勘っていうの? だって端から見ててあんた達すんごく波長が合ってるんだもの。あんたはあくまでも見た目がナオになってるだけで中身は何一つ変わってないでしょ? つまりはあんた自身との相性はすごくいいってことじゃない。杏ちゃんだって女の子なんだもん、本音では彼氏だって欲しいだろうしいつかは結婚だってしたいって夢見てるはずよ。私はその願いを現実にしてやれるのはあんたしかいないと思ってるんだけどね」

「俺が…?」

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