蜜月なカノジョ(番外編追加)
そう、これが私達にとっての日常。
自分で言うのもなんだけど、ナオさんはとかく私を溺愛している。
よく目に入れても痛くないほど可愛がるなんていうけれど、まさに彼女はそれを地で行っている人だ。目に入れるどころか時々可愛くてたまらないとかなんとか言いながらあちこちをガジガジ噛んでくるのだから困ったものだ。
何が彼女をそうさせているのかなんてさっぱりわからないけど、こんなに可愛がってもらえて幸せじゃないはずがない。
これまで自分は不幸な人生を歩んでいると思いながら生きてきたけど、ナオさんに出逢えてからその世界は一転した。
こんな幸せでいいのだろうかと怖くなるくらいに、今の私は幸せだ。
「ん~、いい匂い! 今日のご飯はなーに?」
「今日はサバの竜田揚げと豚汁です。ちょっとおばさんくさかったですか?」
「そんなことないわよっ、私が和食大好きだって知ってるからそれにしてくれたんでしょ? んー、ほんとに杏ってば可愛すぎっ!!」
「きゃっ?!」
ぶちゅーっと熱いキッスをほっぺに受けて顔が熱くなる。
いくら相手が女性とはいえ、ここまでのスキンシップはこの手の経験値がほとんどないと言っていい私にとってはドッキドキものだ。