蜜月なカノジョ(番外編追加)
「あーーマジでまいった。まさかこんなずぶ濡れになるとは…」
ガシガシとタオルで頭を拭きながら着替えを取りに行こうと廊下に出たところで……己の瞳が捉えた人物に時間が止まった。
「_______……え?」
頭が真っ白になるとはこういうことなのか。
真っ白な頭の中で何故かそんな分析をしている自分がいた。
だが自分以上に驚愕に満ちた目の前の女性の姿に、パチンと大きな風船が弾けたように意識が戻ってくる。
「______えっ……、あ、杏っ??!!!」
どうしてここに?!
いや、今はそんなことはどうでもいい。
というか今俺が置かれている状況は___
何かを言わなければとわかっているのに、想定外の事態に脳ミソはパンクして何から言えばいいのかすらもわからない。
互いに驚きに目を見開いたまま固まっていたが、やがて杏の視線が上から下にゆっくりと動いて…それから目ん玉がもげるんじゃないかと思うくらいにさらに大きく開かれた。
…次の瞬間、
「いっ、いやああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
断末魔の叫びが部屋中に響き渡った。