蜜月なカノジョ(番外編追加)
「杏っ?! 杏っ!! 杏っっっっっ!!!!」
ドクンドクンドクンドクンッ…!
ありえないくらいの汗が全身から噴き出す。
彼女が今恐れていた事態に巻き込まれているのは確実で、俺は今現在その場にいない。守ってやれる状況にいない。
ふざけるなっ、杏に指一本でも触れてみろ、ブッ殺してやる!!!
杏、杏、杏______!!!!
「……………っ!! ……!」
「____?!」
その時、どこからか人が争う声が聞こえた。
…ような気がした。
それは本当に微かな音で、もしかしたら単なる空耳かもしれない。
が、頭で指令を出すよりも先に駆け出していた。
まるで導かれるように勝手に体が動いていく。
杏っ、杏っ、杏っ、どうか間に合ってくれ____!!!