蜜月なカノジョ(番外編追加)
そうこうしているうちに明け方になってようやくウトウトして…そして今朝のように杏に起こされる。もう数日間そんなことが繰り返されていた。
これまで毎日4時起きという超早起き生活を送っていた俺が、何があっても杏よりも早く起きることを徹底していた俺が、こうも寝坊するともあれば杏が心配にならないはずがない。
杏は仕事が忙しくて疲れが溜まっていると思っているようだが、事実がどうであれ、彼女に不必要な心配をかけて不安にさせていることは間違いない。
「ほんと、情けねーな…」
杏のことになると自分はこれほどまでに駄目な男だったかと愕然とする。
こんなんじゃあカナの奴にまたどんだけヘタレを連呼されることやら。
「…よし、今日こそは杏を抱きしめてキスしまくってやる」
自分のせいだが、まさかの寝坊続きに杏欠乏症もいいところだ。
過去にとらわれて今を無駄にするなんて本当にバカバカしい。
杏、待ってろよ!!
すっきりした気持ちでボヌールを出ると、一秒でも早く杏の元へ帰るために頭のてっぺんから爪の先まで気合を入れ直した。