蜜月なカノジョ(番外編追加)
悩める乙女は暴走する①
このところナオさんが…おかしい。
はっきり言ってしまえば、私のことを避けている。
気のせいとはとても言えないくらいに、明らかに避けられている。
話していると微妙に視線を逸らされることがあるし、何よりも一番露骨なのが寝起きだ。
ナオさんの早起きの秘密を知った次の日から、ナオさんは寝るときの女装をやめた。それと同時に超早起き生活にも終止符が打たれ、その代わりに私との濃密な時間を過ごすようになった。
決して最後まではしないけれど、私が怖がらないようにと細心の注意を払いながらも、ナオさんは男としての欲望を剥き出しにする。
もちろんかなり手加減をしてくれているのはわかってる。
けれど、これから先の人生、死ぬまで男の人と付き合うなんてことはないと信じて疑わなかった私にとっては、レベル1なのにいきなりラストダンジョンに迷い込んでしまったくらいにぶっ飛んだ変化だ。
目があうだけでも恐怖。会話すら恐怖。触れられるなんて失神もの。
そんな私ですらとろとろに蕩けて何も考えられなくなってしまうくらい、触れるナオさんの手が、唇が、肌の温もりが心地いい。触れられるほどに愛されているのだと思えて、そしてそれを受け入れられるほどにナオさんへの想いを自覚する。
ほんの少しだけ恥ずかしいけれど…とてもとても愛おしい時間。