蜜月なカノジョ(番外編追加)
『 杏、やっぱりお前には付き合いきれない。…別れよう 』
「……っ」
聞いたこともない冷たいナオさんの声が響いてヒュッと喉が鳴った。
息ができない。苦しい。
嫌だ。嫌だ。
このままじゃ、本当にっ…
「…………え?」
気が付けば、追い詰められた私の手はナオさんの体を這っていた。
考えての行動じゃない。
多分、これがナオさんの言っていた『本能』というやつだ。
このままでは永遠にナオさんを失ってしまう。そんなことは死んでも耐えられない。
だったら私は___
「あ、杏っ?!」
激しい動揺を見せるナオさんに、私の危機感は増していくばかり。
邪魔な布団を吹き飛ばしてナオさんのお腹の上に乗ると、尚も何かを言い募ろうとするナオさんの口を塞いだ。