蜜月なカノジョ(番外編追加)
「どういうことなのか話してもらってもいい?」
「…はい…」
結局小一時間ほど泣いて、ようやく落ち着いた頃を見計らってナオさんが本題に触れた。
真夜中に二人真剣な顔してベッドの上で向かい合ってるなんて、何ともシュールな絵だけど…誤魔化したりしないできちんと謝らなきゃ。
「あの…最近ナオさんが私を避けてたのが、ずっと気になってて…」
「…え。避けるって…俺が? 杏を?!」
俯いたままコクンと頷いた私にナオさんは絶句している。
もしかして自覚せずにやってたんだろうか?
だとしたらもっと事態は深刻な気がする…。
そう考えるとまた気持ちが沈んできた。
「い、いや、ありえないから! 俺が杏を避けるとか死んでもありえないからっ!!」
「でも、最近ナオさんの様子が明らかにおかしかったし、らしくない寝坊もして。それに、何よりも……その日を境に何にもしてくれなくなったから…私…」
「…え?」
やだ。これじゃ何もしてくれないことが不満って言ってるみたいじゃない。
いや、実際そうなんだけど、でも言いたいことはそういうことじゃなくて。
あぁ、何て言えばいいの?!
プチパニックに陥った私を落ち着かせるように、膝の上で固く握りしめていた手に大きな手が重ねられてハッとした。