蜜月なカノジョ(番外編追加)
「…寂しかったの?」
「えっ?」
「俺が杏に何もしないから…寂しかった?」
「…っ」
まるで頭を、耳を撫でるような優しい優しい声だった。
そのあまりにも優しい音色に堪えていたはずの涙がまたぶわっとこみ上げてきて、今更ながら自分は何てことをしてしまったのだろうと後悔の念が押し寄せる。
これまでナオさんは私のためにどんなことでもしてくれたのに。
いつだって私の気持ちを第一に考えてくれていたのに。
それなのに私はちょっと構ってもらえなくなったからって一方的に暴走するだなんて。たとえナオさんに飽きられたのだとしても、ナオさんが今まで私に対して与えてくれていた愛情が変わるわけではないのに。
恥ずかしい。申し訳ない。
「ごめっなさいっ…! ナオさんがいてくれることが当たり前になってしまってっ…もう私のことなんてどうでもよくなったんじゃとか、このまま別れようって言われるんじゃないかって思ったら…こわくて…こわくてっ…!」
「……」
「でもこんなときどうすればいいのかなんて私には全然わからなくてっ…たまたま耳に入ったお客さんの話を聞いてたら、受け身ばかりじゃだめだって話してて、それでっ…」
「…自分から迫ることにした?」
「…っ」