蜜月なカノジョ(番外編追加)
自分のしでかした事が一気に脳裏に浮かび上がって全身が熱くなる。
恥ずかしい。なんてふしだらな。
呆れてる。
呆れない方がおかしい。
当たり前だ。あれだけ男の人が怖いと迷惑をかけておきながら、いざとなったら自分から押し倒してるだなんて。
「…なさい、ごめんなさいっ…! お願いだから、嫌いにならな___んっ!」
ガッと頬を挟み込まれたと思ったのと唇に何かがぶつかったのはほぼ同時で。
それが何かであるかを認識した途端、ギリギリまで耐えていた涙のダムが決壊して滝のように溢れ出した。
ずっとずっと寂しかった。
この唇が…恋しかった。
「はっ…な、おさっ、んぅっ…!」
喋るのなんて許さないとばかりに唇を塞がれる。
息をするのすら許さないとばかりに口内が侵される。
呼吸もままならず苦しくてたまらないのに、その苦しさすら愛おしくて。
涙と一緒に溢れ出す想いを制御することなんてもう不可能で。
気が付けば必死にナオさんの首に腕を回してしがみついていた。
それ以上に強い力で私の背中を引き寄せるナオさんが全身で好きだよと言ってくれているようで、私達はそのまま時間も忘れて互いの唇をひたすらに求め合った。