蜜月なカノジョ(番外編追加)
そろりと布団をずらしていくと、いつの間にかすぐ目の前にナオさんの顔が迫っていた。
穏やかに、そして幸せそうに微笑むその顔を見ていたら…さっきまで自分を覆い尽くしていた羞恥心がスーッと和らいでいくのを感じる。
それと同時に湧き上がってくるのは、ナオさんの私への気持ちが何一つ変わってなかったということへの心からの安堵感。
そしてより一層愛おしいと感じるナオさんへの想い。
「ナオさんが…好きです」
気が付けば無意識にそんなことを口走っていた。
言おうと思って出たんじゃなくて溢れ出た。まさにそれ。
ナオさんは一瞬目を瞠ったけれど、すぐに破顔して俺もだよと返してくれた。
あぁ、本当にバカなことをしてしまったけど、それでも自分なりに精一杯ぶつかってよかった。
バカな私ごと全部を受け止めてくれるナオさんで…本当によかった。
「杏」
「…はい」
覆い被さった状態のナオさんの指が私の唇をフニフニと押し潰す。
なんだかくすぐったい。