蜜月なカノジョ(番外編追加)
「…………カツラ?」
違和感の正体を手に取ると、それは紛れもなくカツラだった。
でもなんでこんなところにカツラが?
しかもこのカツラ、どこかで見覚えがあるような、ないような…。
……一体どこで…?
そこまで考えてふと思い出す。
この髪の色、ナオさんのと同じだ…
「え…。ちょっと待って、どういうこと? ナオさんがカツラだなんて聞いたことないし、仮にそうだとしても、なんで…」
脳ミソはますます混乱を極めていく。
もはや何をどこから考えていいのかもわからない。
「_______っ…」
その時、バスルームの扉の前に転がっていたあるものが私の呼吸を止めた。
ドクンドクンドクンドクン…
カツラを手にしたままゆっくりとそこへと近づいていく。徐々に大きくなっていくそれに比例して、私の心臓もありえないくらいに激しく鼓動を刻んでいく。
「……なに、これ…」
そこで目にしたもの。それはおびただしい量の胸パッドだった。1つや2つじゃない。全部で5個くらい転がっていて、さらにすぐ横に落ちているブラジャーはすごい厚みのパッドが縫い付けられたタイプのものだ。
胸が大きい方の私にだってわかる。いくら小さな胸の人だとしても、ここまで尋常じゃない数のパッドを使うことはないってことくらい。