蜜月なカノジョ(番外編追加)
子どもみたいな大きな返事をすると、フッと笑ったナオさんが何故かキョロキョロと辺りを見回し始める。
…? どうしたんだろう。
「っ!!」
と思った直後、チュッと唇に温もりが触れた。
すぐに離れていったそれを唖然として見送ると、なんとも満足そうにナオさんが一人頷いてる。
「物足りないけどまぁ今はこれで我慢しておく」
「なっ、な゛っ…?!!」
「この後歩くから。寒くないようにしっかり防寒するんだぞ」
「…っ」
パクパク言葉にならない言葉を発している私を楽しむかのように、ナオさんが自分の着けていたマフラーを抜き取ってキュッと私の首に巻き付けた。
ぽんぽんと頭を撫でて最後に右手を握りしめると、全てがどうでもよくなってしまうくらいの眩しい顔で「行こう」と微笑む。
その一連のあまりにもスマートすぎる行動に、私はぽーっとしたままの状態でしばし引き摺られていった。