蜜月なカノジョ(番外編追加)

「帰ってしばらくして黒崎君が女装するようになったって聞いて…。女の人とも仕事以外じゃ一切関わらなくなったって知って、その原因にきっと私とのこともあるんだろうと思ったらもうどうしていいかわからないくらいの後悔の念が押し寄せてきて…。でも今更謝りに行く勇気もなくて、それからずっとずっと心の中で引っかかってたの…」
「立花のせいなんかじゃないよ。全ては俺の問題だから」
「ううん。黒崎君が私に対して責任を感じてるように、私も同じように思ってた。黒崎君の人生を変えてしまったって。だから…今日こうして『彼女』と幸せそうに笑ってる黒崎君と再会できて、本当に、何て言葉にしていいかわからないくらいに嬉しいの」
「立花…」

涙を拭いながらへへっと弱々しく、でも本当に嬉しそうに立花さんは笑った。

「……出逢えたんだね」
「あぁ。おかげさまで」

何やらわけのわからない短いやりとりに首を傾げる。
誰が何に出逢えていったいどうおかげさまだというのか。
もろにそれが顔に出ていたらしい私を見て二人がフッと笑うと、互いに顔を見合わせてうんうんと頷き合っている。

これまた意味がわからず…以心伝心ずるいっ!

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