蜜月なカノジョ(番外編追加)
「そっか…本当に良かった。…ねぇ黒崎君、私達、もうお互いに終わりにしよう? いつまでも過去の事に囚われるのは」
「立花……本当にいいのか?」
「いいに決まってる。黒崎君だってそう思えたからこそ彼女を選んだんでしょう? 今のままじゃ私も黒崎君も本当の意味で幸せにはなれないと思うから。今日この場をもって昔のことは忘れよう」
罪悪感を消すことは難しいのかナオさんはそれでも迷っているようだったけど、それをじっと見つめる私を見て、そしてもう一度立花さんに向き合うと…
「…ありがとう。起こったことは変えられないけど、もう二度と同じ過ちを繰り返したりしない。杏を幸せにすることが今の俺の使命だと思ってる」
そんなことを宣言した。
「やだ、使命なんて重いよ。っていうか黒崎君がそうしたいのが正解でしょ?」
「…ばれたか」
「あははっ! うん、でもよかった。本当に…よかった。なんか、胸につっかえてた重しがスーッと消えた感じ。それもこれも彼女のおかげだね」
「あぁ、そうだな。…杏、ありがとう」
「杏さん、ありがとうございます」
「えっ、えぇっ?! いえっ、私は何もっ…!」
いきなり二人に頭を下げられてギョッとする。
っていうかボーッと突っ立ってただけですから!