蜜月なカノジョ(番外編追加)
初めて和装を見たけれど、こんなにも似合う男性がいるのかとびっくりするほどに本当によく似合っていた。
さすが女装をしても違和感がないほど綺麗なだけはある。
何とも言えない艶っぽさがあって、大人の男の色気がムンムン漂ってる感じ。
このところ忙しくていつもより長めの髪がまたそれに拍車をかけている。
それに比べて私は背が低いのもあってなんだかちんちくりんみたい…
「すごく似合ってるよ」
「えっ?」
「その浴衣。色白の杏にすごく似合ってる」
タイミングの良すぎる褒め言葉に、たちまち顔が赤くなっていくのがわかる。
それでも好きな人にそう言ってもらえるのは…嬉しい。
「…っ、あ、ありがとうございます。…ナオさんも、すごく似合ってます」
「そう? 自分じゃよくわからないけど…杏にそう言ってもらえるなら嬉しいな」
「色っぽすぎて、正直直視できないくらいです…」
「えっ?」
やだ、私ったら何言ってるの。
これじゃあまるで変態みたいな視点になっちゃってるじゃないか!
「…それを言うなら杏でしょ?」
「…え?」
「部屋に戻って杏を見てからずっと俺の心臓が落ち着かない。予想してた以上に杏が色っぽ過ぎて。…綺麗で」
「なっ…?!」
カーーーッと全身が熱くなり、口は金魚のようにパクパク動くだけ。