蜜月なカノジョ(番外編追加)
ナオさん相当びっくりしてる。
そりゃそうだよね。この私の口からこんな発言が飛び出すなんて。
ほんの少し前から考えたら、天地がひっくり返ってもありえないことだったんだから。
死にそうに恥ずかしいし顔も真っ赤になってどエライことになってるだろうけど、今は無になるんだ、杏!!
「いちいちビクついてしまうのはもう仕様というか、こういうことへの耐性がないのでどうしようもないというか。その都度ナオさんには気を使わせてしまって本当に申し訳ないと思ってるんですけど、でも___きゃっ?!」
いきなりクンッと体が引っ張られると、そのままナオさんの腕に閉じ込められてぎゅうぎゅうに抱きしめられた。
「な、ナオさ__」
「あーもう! だからなんで杏はいちいちそんな可愛いのさ!」
「へ? か、かわっ…?」
ここまでの流れで何がどう可愛いと言われる要素なのか全くわからない。
そんな素っ頓狂な声を出すしかない私の頭に顎をグリグリ当てながら、ナオさんが悩ましげにはぁ~っと息を吐き出した。
「もうさー、やることなすこといちいち可愛くってマジで困る…」
「え…。そ、それは、どうもすみません…?」
「ほら、そういうところも俺的にツボでしょうがないんだよなー。いや、違うな。そういう行動だからじゃなくて杏だから可愛いんだな」
「……」