蜜月なカノジョ(番外編追加)
そうして迎えた今日。
今さらながらナオさんの友人に会うんだという状況に、私は情けないほどガチガチに緊張してしまっていた。
だって、ナオさんの友達ってことはなんだか色々とすごそう…
何がすごいのって聞かれても困るけど、カナさんだって性別を超越した超絶美人だし、ナオさんに関しては言わずもがな。
もしかして、これから会う人もすんごい美男美女なんじゃあ…
「あっ、いらっしゃーーーい!」
そんなことを考えていたら、ウィーーンとエレベーターが開くと同時に溌剌とした女性の声が響いた。
えっ? と思って顔を上げると、目の前には二人の男女が立っていた。
女性はその手に赤ん坊を抱いて、男性は小さなお子さんの手を握っていて。
そこにいる全員がニコニコと優しそうな笑顔を浮かべている。
「今日はお招きありがとう。まだ赤ん坊も小さいのに大丈夫だった?」
「全然大丈夫だよ。こっちこそ無理言ってごめんな」
ナオさんと言葉を交わしている男性は、その辺のスーパーモデルも顔負けなほどのとんでもないイケメン。
「今日は私の我儘を聞いてもらってありがとうございます」
そして隣の奥様と思しき女性もまた、見たこともないような透明感のある綺麗な人で、ナオさんやカナさんを含めたそこの集団が全く別次元の生物に見えた。
「こちらが、例の?」
「あぁ。杏、こちらが話してた南條司さんだよ。そして奥さんの涼子さん。
…って、杏? 杏?」
ナオさんにガクガクと揺さぶられるまで、私はその異次元にトリップしてしまっていた。