蜜月なカノジョ(番外編追加)
「ふわぁ…すご~い…!」
部屋に入るなりもう何十回同じ言葉を繰り返しただろうか。
でもそれ以外に形容できる言葉がないんだから仕方がない。
本当に、見る場所見る場所全てがすごいの一言に尽きるんだから。
家族総出でエレベーターの前までお出迎えにも驚いたけれど、なんと!
最上階のフロア全体が南條さんの居住空間なのだと知ってひっくり返りそうなほどに驚いた。
しかも家の中はそれ以上にすごくて。
上手く説明ができないけれど、そこかしこに洋装が散りばめられているのに、何故か全体で見ると和風に見えるという不思議な空間。
一つ一つのものにこだわりがあるのが伝わってきて、たくさんの木に包まれたあたたかな空間を見ているだけで、南條さん一家がどんな家族なのかがこれでもかと伝わってきた。
すごくすごく幸せなんだろうなって。
聞けばこの家を設計したのは旦那さんで、奥様はインテリアをはじめとした内装をデザインしたらしい。
つまり二人の理想の形が全てここにあるってことなんだ。
「あと少しだけ出すものがあるから。先に座って食べててね」
「…あっ、私もお手伝いします!」
キッチンに行こうとした涼子さんを追いかけるように慌てて立ち上がる。