蜜月なカノジョ(番外編追加)
「はぁ、楽しかったぁ~…」
結局予定よりもずっと長居してしまい、帰る頃にはすっかり夜も深くなっていた。
駅からの帰り道、いつものようにナオさんと手を繋いで歩く。
一人だと恐怖の夜道も、ナオさんと一緒ならこんなにも楽しくてあたたかい。
「杏が楽しんでくれてよかった。あいつらも皆予想以上に喜んでたよ」
「最初は私なんかが参加していいのかなって不安だったんですけど…でも行って本当によかったです。ナオさん、私を仲間に入れてくれてありがとうございます!」
そう言った私に、ナオさんが本当に嬉しそうに笑ってくれた。
本当に、とってもとっても素敵な時間、そして空間だった。
幸せのお裾分けってこういうことなんだなって、初めて感じた。
涼子さんはナオさんが私にベタ惚れなのがダダ漏れだって言ってたけど、それを言うなら南條さんだってそうだ。涼子さんが何かをする度に一緒に動いて手助けをして。ふとした瞬間見つめ合って微笑み合って。
見ている方が照れくさくなるくらい、ラブラブオーラがハンパなかった。
いつか自分もあんな家庭がもてたらいいなって憧れるくらい、本当に素敵なご家族だった。
「ナオさんのまわりの人って本当に素敵な人ばかりですね!」
最大の褒め言葉として言ったつもりだったのに、何故かナオさんは眉間に皺を寄せてしまった。
えっ、なんで?