蜜月なカノジョ(番外編追加)
「あのっ…! 私でどこまで満足させられるか、正直わからないし自信もないですけど、ナオさんが望むのなら…! …あっ、でも、やっぱりほんの少し優しくしてもらえるとありがたいですっ…!」
顔を真っ赤にしながら必死に言い募った私に、ナオさんの目がびっくりするほど大きく見開かれた。
…何…? もしかして、またやっちゃった?!
「ひゃっ?!」
一人あわあわしていると、ぽすん! とナオさんの顔が肩に埋まった。
そしてはああぁ~~~っと、それはそれは深い溜め息をつかれた。
「……やばい。ミイラ取りがミイラになった…」
「えっ?!」
まさかそう来るとは…とかなんとか何とかブツブツ言ってる。
…ってことはまさかあれってジョークだったってこと?!
だとしたら私ってばなんてことを…!
ギャーーーッ、恥ずかしすぎるーーーっ!!!
「あ、あのっ、ナオさんっ…!」
「…でもそっか。杏の言質は取ったわけだもんな」
「えっ?」
顔を上げたナオさんは、それはそれは悪~い顔をしていて。
冷や汗をタラリと流した私にニヤッと口元を上げると、
「じゃあお言葉に甘えて新しい扉を開いてみよっか」
またしても耳元で悩殺ボイスを炸裂させたのだった。
結局その日新しい扉が開かれたのかどうかは……二人だけのヒミツ。