蜜月なカノジョ(番外編追加)

「なぁに? 何の話?」

ドキィッ!!!
ひぃ~っ! やめて、お願い。何も言わないでぇ~っ!!

「あのですね~、杏さんにはラブラブの彼氏がいるんです。この前その人のことが大好きーなんて杏さんにしては超激レアなこと言ってたって話を聞いて。私も聞きたいーー!!ってお願いしてるんです」
「へぇ…?」

その子の話を聞いたナオさんの視線がゆっくりとこちらに向かう。
それがバチッと正面からぶつかると、じわじわと悪戯心に火がついたと言わんばかりの顔で、にたーっと口角を上げた。

い、嫌な予感しかしないんだけどっ…!!

「それは私も是非とも聞いてみたいわ~。杏ちゃんの彼氏ってどんな人?」

ほらーーーーーっ!!!!

「ですよねですよね! 普段男の人に近寄りもしない杏さんの彼氏、超気になりますよね~!」
「うんうん、気になる~。…で、どんな人?」
「うぅ゛っ…!」

実はあなたです~なんて言えるわけがないじゃないか!
もう、ナオさんの意地悪ーーーっ!!!

「ほんっと、タチの悪い奴…」

再びボソッと聞こえてきた声に、今度ばかりは激しく同意した。

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