蜜月なカノジョ(番外編追加)

「芸能人だと誰に似てるんですかぁ?」
「げ、芸能人…? う、うーん、よくわからない…」

正直、その辺の芸能人よりもよっぽど格好いいと思う。

「じゃあかっこいい? 背は高い?」
「う…カッコ良くて…背も高い…です…」
「えーーっ! 杏さんって意外と面食い?」

め、面食い…?
いや、結果的にはそうなるのかもしれないけど、決してそんなことはないと…

「杏ちゃんは見た目から入るような子じゃないわよね~」

私の心を代弁するかのようにはっきりとそう言ってくれたナオさんに、じわじわと喜びが広がっていく。

「…はい。確かにすごくかっこいい人ですけど、見た目じゃなくて、その人の内面に惹かれました」
「きゃ~っ、ほんとに杏さんの口からお惚気が出てる! すっごいレア! 噂で聞いてたとおりほんとにラブラブなんだ~」

うぅっ、我ながら本人を目の前にして何言ってんだって感じだよ!
今更ながら恥ずかしくて穴があったら入りたい…!

「おぉーーっ、いい飲みっぷり!」

羞恥心ごと流し込むように、目の前にあったグラスを掴んで一気に飲み込んだ。
…ただのウーロン茶だけど。

ふと同じタイミングで小笠原君ががぶ飲みしている姿がちらっと映ったけど、それには気付かないフリをした。
何故か隣のシェフの青柳さんも一気飲みしていたけれど。

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