蜜月なカノジョ(番外編追加)
「はぁ…なんかすっごく疲れた…」
鏡に映る自分は心なしかやつれているような。
あれから更に根掘り葉掘り聞かれてそれはそれは大変だった。
やれ写真はないのかだの、挙げ句の果てにはここに呼び出せないのかだの。
酔っ払いのムチャぶりはとどまることを知らず。
胸元で光るネックレスにも目ざとく気付かれて、誰が見ても決して安くはないとわかるそれにこれまた大盛り上がりしたんだっけ。
困り果てた私を助けてくれたのは…他でもないナオさんだったのだけれど。
「…でも、楽しかったな」
じわりと顔が綻んでいくのを止められない。
…そう。とっても疲れたけど、それ以上に、とても嬉しかった。
自分の好きな人のことを誰かと話して盛り上がるなんて、自分には一生縁がないことだと思っていたから。
こうして普通の女の子としての自分がいることに、言葉に出来ない幸せを感じる。
本当に、ナオさんはどれだけの幸せを私にくれるのだろう。
「大好き…」
ぽつりと溢れ出た言葉は心からの本音。
帰ったら、この気持ちを直接ナオさんに伝えよう。
そう心に誓った。