蜜月なカノジョ(番外編追加)
「すごくすごく、嬉しかった。今まで黙っていたことを打ち明けるって、すごく覚悟のいることだと思うから。だから、あの場でナオさんがプロポーズしてくれたことも、スタッフの皆さんがありのままのナオさんを受け入れてくれたことも、全てが嬉しかったです。私が好きになった人はこんなに素敵な人なんだって誇らしかった。そしてそんな素敵な人が自分の旦那様になるんだと思ったら…震えるほどに幸せな気持ちでいっぱいになりました」
「杏…」
ぎゅうっと強い力で抱きしめられる。
「…あんな強気な発言してたけど、本当はどんな風に皆が受け止めるかって、ほんの少しだけ怖かった」
「そんなの当然です。誰だって怖いですよ」
「俺を強くしてくれたのは杏だ。杏がいてくれれば、俺はナオとしても直斗としても、いつだって自分らしくいられる。…だからあらためて言うよ。これから先一生、ずっと俺の傍にいて欲しい」
曇り一つない綺麗な瞳に、涙を滲ませた自分が映っている。
ずっとずっと、こうして自分を見つめていて欲しい。
「もちろんです。ずっとずっと、あなたの傍にいさせてください。そして私の傍にいてください」
「…喜んで」
コツンと額をぶつけると、クスクスと笑いあった。
「……さて、と」
「…え?」
突如変わった声のトーンに、ふっと顔上げる。