蜜月なカノジョ(番外編追加)
「告白なんてもちろん私からに決まってるでしょ~? 詳しいことまでは言えないけど、私がナオになったのは杏に会う前からよ。でも結果的にそのおかげで杏とこうしていられるんだから、まさに人生の分岐点だったってわけ」
初めて語られる事実に、ほわ~っと全員が口を開けて聞き入っている。
「あの、こんなこと聞くのはあれかもしれないんですけど、その…オーナーは女装はやめないんですか?」
「そうそう。オーナーの素顔めちゃくちゃイケメンでしたよね?! もう一回あの素敵なお顔を拝みたいなぁ~!」
お酒も入っていい感じになってきた女性陣が目をキランキラン輝かせている。
まぁ、そう言われるだろうことも想定内だ。
…そう。あの日、スタッフ全員の前で正体を晒した俺ではあるが、その後結局「ナオ」であることをやめてはいない。
まぁぶっちゃけ杏と一緒にいられるならどっちでもいいのだが、案外自分で思ってる以上にナオのことは気に入ってるらしい。
それに女装をやめないのには理由がある。