蜜月なカノジョ(番外編追加)
「まぁあなたたちの疑問は尤もなものだし、そのお願いを叶えてあげたいのはやまやまなんだけどね~?」
そこまで言って隣へと視線を移す。
すっかりこの場を俺に任せることにして安心しきっていた杏が、横から突き刺さる視線にグラスを唇にあてた状態でギクッと肩を竦ませた。
「でも男としての「俺」は杏だけのものだから。悪いんだけど、今のところあなた達の前で男になるつもりはないわ。ごめんね?」
意味深にニッコリと微笑んで正面に向き直ると、少しの間をあけてすぐにキャーッと黄色い声があがった。
「ねぇ聞いたっ? 男としての俺、だって!!」
「しかも杏だけのものだってぇ~~!! きゃーっ、羨ましすぎる~っ!!」
「女装状態でこれだけ色気がダダ漏れしてたら…男に戻ったらどんだけなのっ?!」
「やばいっ、想像しただけで鼻血でそう…!」
すっかり板についたナオの流し目の効果は絶大だったようで、彼女達のボルテージは最高潮になったようだ。