蜜月なカノジョ(番外編追加)

本当に、杏と出逢えたことは俺にとっての奇跡だ。
いや、奇跡なんて言葉じゃ足りない。
この世に存在するどんな言葉を使っても言い表せないくらい、杏との出逢いは全てを変えた。


「杏さん、二人きりの時のオーナーってどんな感じなんですか?」
「えっ?!!」

とうとうターゲットがが自分になったことで思わず杏の声が裏返る。
予想通りの展開に、俺は隣で笑いをかみ殺すのに必死だ。
見れば斜め向かいに座る葵が「この腹黒野郎」とでも言いたそうに胡散臭げな視線を投げつけている。
当然スルーだが。

「あんなかっこいいオーナーを間近で見るってどんな感じ?」
「あ、あの…」
「この前ですらあんだけラブラブだったもんね。二人の時はもうやばいんじゃない?」
「いえ、そのっ…」
「っていうかぶっちゃけアッチの方もすごいの?!」

完全に酔っ払いの暴走は止まらない。
呆れつつも杏がどんな切り返しを見せるのかが楽しみでもある。

…俺も大概ガキだな。

< 393 / 400 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop