蜜月なカノジョ(番外編追加)
結局その後も俺たちへの質問攻めは変わらず、言葉に詰まる杏に対してあっさり惚気る俺という図式に、その場は大いに盛り上がった。
そうして気がつけば結構な時間が経過した頃____
「…杏? 眠い?」
ふと見れば杏の頭がゆらゆらと揺れていた。
「ん…」
何とか起きようと格闘しているのか、目を擦ってはいるが今にも完全に閉じてしまいそうな勢いだ。
顔も赤いしこれは完全に酔ってるな。
「さっきのお酒が回ったのね。そろそろ帰りましょうか」
「ん…私、お酒なんて飲んでないですよ…?」
「うんうん、そう言うと思ったけどね」
クスクス笑いながら杏の荷物を手早く纏めていく。
「えー、オーナー達もう帰っちゃうんですかぁ?」
「もっとお話聞きたいです~!」
「そうしてあげたいのは山々なんだけどね。見ての通り杏がもう限界だから。悪いけど先に帰らせてもらうわ。その代わり支払いは全部済んでるから、好きなだけ飲み食いしてってちょうだい」
「きゃーーっ! オーナーってばいっつも太っ腹~~っ!!」
「ありがとうございます~っ!!」