蜜月なカノジョ(番外編追加)
「っちょっ…さすがに今の状況でそれはまずいからっ…!」
「…え…? なにが、ですか…?」
「っ…! ちょっ、まっ…!」
さわさわ。さわさわ。
あぁ、どうしてこの感触はこんなに気持ちいいんだろう。
このまま眠ってしまいた_____
「ちょっ、ちょーーーーーーーーーーっと待ったぁ!!!」
ガシッ!! と。
夢見心地だった気分が突然掴まれた手によって現実に引き戻された。
何が起こったかわからない私は、尚もぼんやりと目の前の顔を見上げるだけ。
…あれ? なんだかナオさんの顔がありえないくらいに赤いような。
…なんで?
キョトンと首を傾げる私を見るなり、ナオさんは何故かますます顔を赤くして天を仰いだ。
「杏っ、めちゃくちゃ嬉しいんだけど、今はマジで勘弁してっ…」
「…え?」
「この状況で杏に名前呼ばれて触られたら…さすがに男としての本能がっ…」
「……へ?」