蜜月なカノジョ(番外編追加)
名前を呼ぶって、誰が、誰の?
触るって、誰が、誰を?
男の本能って、一体どういう…
「!!」
その瞬間、お尻の下に当たるゴツゴツとした「何か」に一気に目が覚めた。
これはもしかして、もしかしなくても…
「___っ、いやあああああああっ!!!!」
「まっ…! 待って! 杏、落ち着いてっ!! これはもうどうしようもない生理現象っていうか…いやそんなのはどうでもよくて、何もしないから! こんなんで説得力ないかもしれないけどマジで何もしないからっ!! だから頼むから落ち着いて!!」
「キャーーキャーーキャーー!!!」
「あ、杏っ!! 頼むから逃げないでくれぇっ!!!」
まったりと時間が流れていたはずの寝室に響き渡る悲鳴と懇願。
その夜、言い出しっぺは私だったにもかかわらず、結局ナオさんは大慌てで『ナオ』へと変身して私の元へと戻って来た。
それでもすぐには平常心に戻れなかった私を、ナオさんが夜を徹して宥めてくれたのは…言うまでもない。
まだまだ前途多難なようです。