蜜月なカノジョ(番外編追加)

「…え?」

きょとんとしている姿の女子力と言ったらもう。

「全然大したものじゃないんですけど…プレゼントです」
「…えっ?」
「ほんとに! 大したものじゃないんです! ちょっとした感謝の気持ちって言うか、その…っ!!」

なんだか照れくさくなってオタオタし始めた私をしばらく呆然と見ていたナオさんだったけど、弾かれたように我に返ると、突然立ち上がったかと思うのと同時にプレゼントごとギュウッと抱きしめてきた。

「えっ、な、ナオさん?!」
「……うれしい…」
「え?」
「ほんとに嬉しい…幸せすぎる…」
「……」

声を震わせながら腕の拘束を強めるナオさんに、何故だかキュウーッと胸が苦しくなる。

せっかくのプレゼントが2人の体に完全に潰された状態になってるけど…どうしてだかそれを咎めようという気には全くならなかった。
それよりも一つ一つは決して大したことではないのに、その全てにこれだけ喜びを表現してくれることの方が嬉しくて…

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