蜜月なカノジョ（番外編追加）

「怖い？　もし怖かったり嫌だったらはっきり言って」
「………」

「……好きだよ、杏…」
「…っ」

息を呑んだ私の頬を両手でそっと包み込むと、目を閉じたナオさんがゆっくりと近づいてきて＿＿＿＿＿

…私の唇に再び重なった。

優しく、羽が触れるように柔らかく、何度も、何度も。

………なに、これ…

もしかして私…キス、してるの…？
これまでの戯れなんかとは違う、本当のキスを、唇に…？

「杏…」
「んっ…！」

いきなりの展開に頭が全くついていかない。
気が付けば頬に触れていたはずの手が背中と後頭部に回されていて、互いの胸がぴったり寄り添うほどに密着していた。
パニックを起こしかけながらも、触れた場所から伝わる刺激が甘い蜜となって全身を痺れさせていく。何も考えられなくなっていく。