蜜月なカノジョ(番外編追加)


____そんなまるで狐に抓まれたような日々が続くこと一週間。

いつものように帰ってきたナオさんはきっとまたキスについては完全スルーするのだろうとばかり思っていた私に、全く予想だにしない事態が襲いかかった。

お風呂から上がってリビングで2人まったりとテレビを見ていたら、いつの間にかナオさんの視線は私に向いていた。
じーっと、熱烈なその視線にたじろいだ私の手を握ると、そのままいつものように顔中にキスの雨を降らせてきた。それ自体にはすっかり慣れてしまった私の体はされればされるほど脱力してしまう。
そうしてほとんどナオさんに体を預けるような状態になったところで…

唇にキスされていることに気付いたのだ。

「ん…っ…!」

それからどれくらいの時間が経ったのか。
わけがわからないながらもナオさんのキスはありえないくらいに気持ち良くて、今日こそきちんと話をしなきゃと思いながらも心も体も全く思うように動いてはくれない。
何か媚薬でも入れられたんじゃないかと思うほどに何も考えられない。

そんな中で唯一、夜にキスをされたのはあの日以来初めてだ…なんてことを考えていた。

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