蜜月なカノジョ(番外編追加)
そんな彼女との出会いから一年ほどが過ぎようとしていた頃___
私の人生において重大な局面を迎えていた。
いや、重大だけれど実はそれが初めてではない。
言わば「またしても」な局面を迎えていたのだ。
「杏ちゃん、最近すっごく顔色悪いけどどうしたの?!」
「ナオさん…うぅっ…ナオさーーーーんっ!!!」
「わっ!! 一体どうしたのよっ?!」
何にも言ってないのに本気で心配して声をかけてくれたナオさんの優しさに、私は自分の立場も忘れてワンワンと泣きついてしまっていた。
「……え、ストーカー?!」
「……はい…」
結局ひとしきり泣いた私をスタッフルームへと入れてくれたナオさんに、ここ数ヶ月自分を極限まで追い詰めている問題を打ち明けてしまった。
ずっとずっと自分だけで抱えていた悩みを、誰か心の許せる人に聞いてもらいたかったのだと思う。
「ちょっ…いつから! 相手はっ!!」
「え、あ…あの、今の職場の、上司、といいますか…」
「じょうしぃいいいいぃっ???!!!」
「ひぃっ!」
予想以上の反応を見せたナオさんは、まさに鬼の形相で怒り狂っていた。
誰かに悩みを共有してほしいとずっと思っていたけれど、正直これだけの反応は予想もしていなかった。