蜜月なカノジョ(番外編追加)

「___っ、わああああああああっ!!! わ、私ってば何をっ…!」

突然紙袋を振り回し始めた私に、周囲にいた人達が怪訝そうに顔をしかめて露骨に距離を取っていく。
恥ずかしくなって逃げるようにその場から離れると、己の煩悩を振り払うように頭を振りまくった。

「落ち着け、落ち着け自分。うん、別に何もおかしいことじゃないよ。だってこれでも一応女なんだもん。可愛いと思うものを欲しいと思うのも買うのもなーーんにもおかしなことなんかじゃない。べ、別に誰かのためとか、そ、そんなんじゃないし!」

今度はベラベラと一人で話し始めた怪しい女をすれ違う人という人という人が変な目で見ていることにも気付かない。

「そもそもナオさんがいけないんだよ! あ、あんなことするし言うしで。き、キスなんてされたらどんな非リア充だって意識もするでしょうよ!」

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