お散歩
 +++遥海side+++

 母親と会って家について荷物を置いたとき、呼び鈴がなった

『どちら様でしょうか。』

「千夜と夏梅で~す」

 今度はあの煩いのが来た

 ガチャッ

『何?』

「今すぐ荷物まとめろ
 5分後に出るぞ」

 千夜の顔が声が学校で見たときとは違った

 下に人が居るって人はこんなに真剣になれるのかな

『理由は?』

「そんな時間ない
 早くして」

『理由分かんないからやだ』

「あっそ
 夏梅、もう連絡してあるよな」

「してある、多分4,5分でつくと思う」

 なんの話してるんだろう

「じゃあ決まり
 行くよ」

「暴れないで、大人しくしててね」

『何?触らないで!
 やめてってば!』

「君煩い
 だから女って嫌い
 いちいちギャーギャー騒ぎやがって
 可愛いと思ってやってんのかしらんけど、ちょっとは黙れよ」

「夏梅、急ぐよ
 遥海もほんと黙ってね」

「走るぞ」

 そう言って千夜にあたしを渡す夏梅

『何すんのよ』

「煩いなぁ、僕の事殴ったりしないでよね」

『なにを!
 きゃぁ』

「ほんと煩い
 落とされたくないなら大人しくね
 夏梅行こ」

「おう」

 そう言って走る2人
 なんでこいつあたし抱えながら普通に走ってんの・・・

 ***

「はいとーちゃーく」

『城島・・・組』

「ピンポーン、今からこの中に入ってもらいまーす!」

『やだ!』

「おっじゃまっしまーす」

『離してよ!』

「分かったから、落ち着いて
 千夜の事あんま怒らせんな」

『やだ!離して!』

「千夜、夏梅お帰り。
 ご苦労様」

 蓮だ・・・

 今日は早退したのにこっちには居るんだ・・・

「ほんとだよ〜
 この子なかなか落ち着いてくれないからもうそろそろでキレそうだった
 だ〜か〜らぁ〜っ!蓮ぎゅー!」

 私には、何も言ってくれなかった

 千夜とか夏梅とかの事のほうが大事なのかな・・・

 それに、目、合わない・・・

「遥海、手荒な真似してごめんね
 緊急事態だからしばらくここで組員と話すなり何なりしてて
 その内、敦桐(あつぎり)が呼びに来ると思うから。
 これから緊急対策会議を始めます。各役職のトップは天竺牡丹(ダリア)に来てください
 それから、個人名を呼びます。その方々も移動願います。
 千夜、夏梅、霧、冬弥
 ・・・
 以上です。宜しくお願いします」

 蓮が違う人みたい

 表情も、雰囲気も、わかるとこ全部違う

 千夜達が、蓮を慕うのはこういう事なのかな・・・

 ---遥海sideend---
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