百花繚乱 社内ラブカルテット

Prologue

芯からじりじりと込み上げてくる、地味に響く頭痛に、意識を覚醒へと導かれた朝――。


「……う、う～……」


自分の唸り声で目を開けた瞬間の気分は最悪だった。


うっすらと開いた視界に映る、仄暗い部屋。
なんだか随分と暗くて、室内の家具の輪郭すらはっきりしない。
窓の外の空は、曇っているんだろうか。


そんなことをボーッと考えているうちに、闇に目が慣れてきた。
意識がはっきりし始めて、それと同時に頭痛が強まってくる。
ジワジワとせり上がってくるようだった痛みが、今じゃガンガンと容赦なく襲いかかってくる。


「今日、何曜日……？」


額に手を当て、独り言を呟く。
モゾッと身体を起こした時には、自分で答えを出していた。


――って、まだ火曜日じゃないの。
じゃあ私、週初めから翌朝残るまで飲んだりしたの？
新人の頃ならともかく、社会人七年目にもなってなんたる失態……。


昨夜の自分に、軽く舌打ちしたい気分に駆られる。
そんな私の自己嫌悪を煽るように、ベッドがギシッと軋んだ。
溜め息と共に何気なく動かした手に触れた感触に、ビクンと身体を震わせる。


「なっ……なっ？」


予想外に何かが手に触れたことに驚き、口から発した声がちゃんとした言葉にならない。