春色のletter

「こんばんわ」


私は彼女の前にしゃがんでクマを見ながら言った。


「ゆうたっていうの」


「おや、日本のクマかな?」


「ううん、わたしのおとうとだよ」


「そっか、じゃあ、ゆう太くんだ」


「うん」


私はクマと握手した。


「ほら、あがってあがって」


美沙ちゃんに促されて、私は靴を脱ぐと、手を繋ぎながらリビングへ向かおうとした。
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