春色のletter
初めて男子とつきあい始めた私だったけど、実はハルも初めてだった。
最初の頃、二人ともぎこちなくて、そのせいで起きたいろんな失敗は、恥ずかしすぎて、あまり書きたくない。
厳しい母のせいで休日のデートを禁じられた私たちは、部室で他の部員を気にしながらの時間を過ごし、そして、唯一二人っきりになれる帰り道が楽しみだった。
(絵里は、さりげなく例の先輩と帰ってました)
お互いの言いたいことがなかなか言えないので、交換日記もした。
そして、怖々始めた夜8時の電話が、少しずつ増えて、そして毎晩になった。
母も、少しあきらめ顔で替わってくれるようになった。