春色のletter
あと、私の仕事の失敗のことについて触れていた。
『夜梨子はイラストを描く時、納得いくまで描き直していたよね?仕事も同じようにすればいいのに』
簡単なアドバイス。
でも、私をよく知っているハルからのアドバイスは、私の心に、あの頃の想いを思い出させた。
「そうだった…。昔はそんな気持ちを持ってたよ、私」
それにハルの手紙によって、既に私は、あの訳のわからない孤独感が消えていたらしい。
邪魔者がいなくなった私はその時、またやる気を起こしていた。
最後に、『手紙は転送されるから、また返事をくれるならそのままの住所でいいよ』と書いていた。
私はもちろん、返事を書いた。