春色のletter
いつの間にか、頭の中はmisakiさんのアルバムデザインのことだった。
私は、まず着替えると、佐伯さんに電話をした。
『どうした?』
「misakiさんの仕事、もう一度やらせてください」
『夜梨…』
私のハッキリした口調に、彼が少し戸惑っているのがわかった。
「お願いします。もう一度チャンスをください」
彼が考えているのがわかる。
『……どれくらいかかる?』
「月曜には」
『…そっか。わかった。やってみろ』
「はい」
声だけで、彼には私の気持ちがわかったようだった。
私は、着替えてお風呂に入ると、珈琲を用意してデスクに向かった。