春色のletter
少し仕事をしたという感じに散らかっているデスクの上を見つめて一息つくと、思った。


(ここは、こんなにいい会社だったんだ…)


自分で壁を作っていただけだと気が付いた。


そういえば、以前化粧室で聞いた同僚の会話も悪意のある陰口じゃなかった。


佐伯さんに無理に入れてもらったからと、妙に自分で線を引いていただけだった。


これからは、素直に溶け込んでみよう。




(ハルのおかげだ…)




そう思った私は、ハルからの手紙を心待ちにしていることがわかっていた。
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