春色のletter

終業時刻になった。


「夜梨~、今日ヒマか?」


「いいえ」


即答。


ざわっと、周りがざわつく。


「夜梨~、そのOKな時と、即答でダメな時の違いってなんだよぉ?」


今日はちょっと絡んでくる佐伯さんだった。


「そんなこと言えません」


「オトコか?」


「ちゃいます」


「……」


「じゃあ、お先に失礼しま~す」


私がオフィスを出る時、「誰かうちに来いよぉ~」という佐伯さんの声が聞こえた。


本当は、沙也さんの料理は魅力的だけどね。


今日はそろそろハルからの手紙が来る頃だった。


連れて行かれた人も結果的に良かったと思うはずなので、よしということで。
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