春色のletter
シェークしてロングのグラスに注がれたカクテルはきれいなグリーンだった。
「エメラルド・クーラー。どうぞ」
「うわあ、きれい」
一口飲んでみた。
どうやらジンベースみたい。
すっきりしていてソーダで割っているし、ペパーミントの香りが心地良かった。
「今日は何かいいことがあった?」
「なんで?逆にがっかりなことはあったけど」
「そうは見えないけど?」
彼がグラスを磨きながら目で横を示したので顔を向けると、壁のところの鏡に私の顔が映っていた。
その表情は何かうれしそうだった。
「…ほんとだ」
何となく、くすっと笑った。