春色のletter
「じゃあ、そういう気持ちで飲めばいいんじゃない?」
「そうだね~」
なんでだろう?
ハルの手紙が来てなかったのに。
でも、明日は来るだろうと思っている私がいた。
その期待感が、私をこんな表情にしてるのだろう。
そんな感じで、お代わりを何杯かしたけど、言うほど酔ってなかった。
きっと、星影さんが気持ちを読んで軽いモノばかりにしてくれたんだろう。
「さすがプロだね」
「なにが?」
彼は何でもないって表情。
「ううん。じゃあ、帰ります。ごちそうさま」
「そ?またおいで」
「はい」
私は会計を済ますと、振り返り気味に手を挙げてドアを閉めた。