春色のletter

「じゃあ、そういう気持ちで飲めばいいんじゃない?」


「そうだね~」


なんでだろう?


ハルの手紙が来てなかったのに。


でも、明日は来るだろうと思っている私がいた。


その期待感が、私をこんな表情にしてるのだろう。


そんな感じで、お代わりを何杯かしたけど、言うほど酔ってなかった。


きっと、星影さんが気持ちを読んで軽いモノばかりにしてくれたんだろう。


「さすがプロだね」


「なにが?」


彼は何でもないって表情。


「ううん。じゃあ、帰ります。ごちそうさま」


「そ?またおいで」


「はい」


私は会計を済ますと、振り返り気味に手を挙げてドアを閉めた。
< 226 / 487 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop