春色のletter

しばらくして、私たちの前に同じカクテルが3つ並んだ。


「スノースタイル?」


「まあ、飲んでみて」


視線の先のmisakiさんが、「じゃあ」と、一番に口をつけた。


「あ!マルガリータ!私、これ好きなんですよ」


「ほんとだ」


「おいしいですね」


そう言った淳さんの笑顔を見て、私は二口ほど飲むとそっとグラスを置いた。


グラスにちょうどスポットの照明が当たってそこだけ切り取られた様な空間を感じる。


「あ、星影さん、misakiさんの好きなの知ってたでしょ?」


私はふと思いついて言った。


「バレた?」


「なんだ、知ってたんですか?」


misakiさんが笑いながら口をとがらせた。


「もちろん。CD聴いてからは一応ファンだし、いろんな人の好みは勉強してるよ」


「へえ~、すごいですね」


淳さんは真面目に感心してる雰囲気だ。
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