春色のletter
「あのね、今日、misakiさんのライブに行ったんだ」


「へえ。良かったでしょ」


「うん。彼女の曲はCDでさんざん聴いてたけど、ライブは全然違ってた」


「彼女の曲はパワフルだもんね」

「うん」

私は思い出すように頷いた。



「ねえ…」


私は一呼吸おいて言った。


「ん?」


「星影さんは誰か好きな人がいるの?」


「なんで?」


彼は少しも動揺せずに私を見た。


「misakiさんの失恋ソングで聴いた」


「へえ~」


彼はクスッと笑った。
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