春色のletter

「夜梨ちゃんには?」


沙也さんが佐伯さんを見た。


「いや…」


そう言うと、彼は沙也さんの向こう側に腰掛けた。


『おまえが説明してくれ』


暗にそう言っていた。


「そう…」


しばらく沈黙が続いたけど、私は手術中の表示を見つめながら、沙也さんが口を開くのを待った。
< 364 / 487 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop